流し打ち特集
こんにちは!
Noble Actionです!
皆さんは、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷選手や、福岡ソフトバンクホークスの柳田選手のように、流し打ち方向へホームランを量産できる打者になりたいですか?
本記事では、流し打ち特集として、この流し打ちに着目して深堀していきます!
【この記事でわかること】
1.流し打ちは飛距離が短くなる。その原因は、サイドスピンが大きくなるため
2.流し打ちを強くするには、流し打ちのためのスイングを構えると良い
3.流し打ちで本塁打を打つには、打球速度を上げてアッパースイングで打つと良い
【目次】
1.打球方向によって飛びやすさが異なるのか
2.マグナスカってなに?
3.流し方向のHRはスライスしているのか?
4.バットヘッド速度を高め、アッパースイングをしよう!
1.打球方向によって飛びやすさが異なるのか
「流し打ち方向への打球は飛ばない」と聞いたことはありますか?
MLBのホームランを調べてみると、2020年のホームランのうち流し打ち方向へのホームランは15%程度であり、流し打ちの打球ではホームランになりにくいことが明らかになっています。
このデータはMLBであることからも、流し打ち方向へは長打を打つのは難しいことが分かります。それでは、なぜ飛距離が打球方向によって異なるのでしょうか?
打球の飛距離は、打球速度や打球角度、回転方向によって決まってきます。
日本の大学野球選手を対象としたある研究では、流し打ち方向への打球が飛びにくい理由として、サイドスピンが多くなることが報告されています。
上の図は、メジャーリーガーのデータから、打球速度や打球角度、バックスピンなどの条件が類似しているもので、サイドスピンの量が異なる打球を集めたデータになっています。
サイドスピンが多くなるほど、サイドスピン「0」を中心に弧を描くように飛距離が減少しているのが分かります。
サイドスピンが多くなると飛距離が短くなるのは分かりました。
それでは、流し打ちの打球はサイドスピンの量が多いのでしょうか?
上の図の緑色(右打者のデータ)に注目すると、-10度の方向(左中間)への打球が最もサイドスピンが少ないことが分かります。
そこから左右に打球方向がずれていくほどサイドスピンが多くなっていることがわかります。
流し打ちの方向が大きくなるほど、サイドスピンの回転量が多くなっていることから、先程の図1と合わせて考えてみると、より角度が大きくなれば飛距離が短くなることが想像できます。
一般的には、引っ張り方向への打球に比べて、流し打ちの打球を打つのは難しいと考えられています。
その理由として、流し打ち方向へ打球は、キャッチャーに近い位置でインパクトをする必要が出てくるため、バットのスイング途中でインパクトが来るので、バットスイングが遅い状態であることが挙げられます。
流し打ちを上手に打つためには、どのようなポイントがあるのでしょうか。
打ち分けによる打撃動作を分析した研究では、以下の4つをポイントにあげています。
- スイング開始のタイミング
- スイング開始直前からインパクトまでの体幹(腰・肩)の向き
- スイング開始以降の引手側の肘関節の角度
- インパクト付近の引手側の肩関節の角度
この動作を参考にすることで、流し打ちへのコツをつかむことができるかもしれません。
ただ、バットを振れば良いわけではなく、打ちたい方向へ打ち分ける技術の習得が大切なことが分かります。
2.マグナス力ってなに?
投球において、変化球などを考える場合、ボールの回転と空気の流れについて理解することはとても大切です。
それらを学ぶ中で、「マグナス力(マグヌス力)」という言葉はとても重要になります。
マグナス力とは回転しながら進む物体(ボール)に対して、垂直の力(揚力)が働く現象のことを言います。
野球で、「ボールが伸びる」と言われる作用は、このマグナス力が働くことによるものです。
マグナス力は、進行方向に対してきれいなバックスピンであるほど揚力を得ることができます。
そのため、高い揚力を得るには、バックスピンの成分が強いほうが有効な球になります。
しかし、回転数とマグナス力は完全な比例関係にあるわけではなく、バックスピンに対してサイドスピンが増加すると、上方向に作用するマグナス力が小さくなってしまいます。
このような理由から、流し打ちをすることはサイドスピンの成分が大きくなってしまうため、マグナス力の揚力を得られずに飛距離が短くなってしまいます。
3.流し方向のHRはスライスしているのか?
これまでの内容から、打球の飛距離を最大化するためには、サイドスピンが少ない高い打球速度を直線的に飛ばす必要があります。
流し打ち方向への打球には必ずスライス回転がかかってしまいます。
通常、流し打ち方向へ飛んで行ったボールは、サイドスピンの影響でファウルグラウンド方向にきれてしまうので、流し打ち方向への打球を直線的に飛ばすことは非常に難しくなります。
流し打ち方向へホームランのような飛距離の長い打球を打つためには、スライスしたとしてもフェンスオーバーするような高速の打球を打つ必要があります。
前提として、HRを打つためには、打球速度が158キロ以上必要とされています。その際は26〜30度の範囲のみHRの可能性があります。
これをバレルゾーンといい、別の記事で紹介していますので、そちらを参考にしてみてください。
このバレルゾーンは、打球速度が上がる毎に角度の範囲は広がっていき、187キロに到達すると、なんと8〜50度の範囲まで広がります。
しかし、流し方向の打球では打球速度は高いものの、角度が上がりにくい傾向があります。
高速な打球を打つためには、バットヘッド速度を高める必要があり、フライやライナーを打つためにはアッパースイングでボールをインパクトする必要があります。
しかし、流し打ち方向に打撃する場合、スイングの途中でのインパクトになるため、バットヘッドが加速しきることができず、高速の打球を打ちにくくなります。
そのため、球種やコースを張って、流し打ち方向に打つための準備をし、図3のようなスイングを行うことで、強い打球につなげられるでしょう。
流し打ちの打球を練習することも大切ですが、様々なピッチャーや状況などに対応しながらスイングをしなければならないため、日常からバットヘッド速度を高める練習や引っ張りや流し打ちなどのスイング練習を行うことが重要であると言えます。
4.バットヘッド速度を高め、アッパースイングをしよう!
今回は、流し打ちについて様々な面から考えていきました。
流し打ちをする場合、ボールがサイドスピンし、スライスしていくことが必然になります。
その中で、長打や本塁打を打つためには、基礎的な練習が最も重要になるのではないでしょうか。
意識すべきポイントとしては、バットヘッド速度の向上、スイング開始後バットヘッドを下げ、アッパースイングでインパクトを迎えること、が挙げられます。
強い打球を打つためには、たくさんのことを考え、練習に取り組む必要がありますが、何が重要なのか一つ一つ整理して成長につなげていきましょう!
参考・引用文献
- Baseball Geeks:流し打ちが難しいのはなぜ?バットの打撃面とインパクト位置の関係を考察(閲覧日:2022年8月15日)
- Baseball Geeks:なぜ流し打ち方向への打球は飛ばないのか(閲覧日:2022年8月15日)
- テニスブログ 総合テニス専門サイト-テニス365 (tennis365.net)(閲覧日:2022年8月15日)
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