データで見る野球
こんにちは!
Noble Actionです!
野球をやるには、「勝ちたい!」
これが一番の目的ですよね。
そのためには、多くの点を取り、失点しないように守ることが重要です。
それでは、どうすればこれらが実現できるのでしょうか。
本記事では、記録や指標という観点から「野球」を深堀していきます!
【この記事でわかること】
1.打者は、OPSやIsoPを計算すると、打者タイプを知ることができる
2.速球は、長打を打たれるリスクがあるが、変化球を生かす重要な球種
3.ボールカウントが増えると打球速度が向上する。ストライクのカウントが0の時は空振りの確率が上がる
【目次】
1.打者を評価する指標とは
2.イベントリスクとは
3.カウントによって結果は変わる?
4.最新のデータを追い続けよう!
1.打者を評価する指標とは
野球には様々な指標があります。
勝率のようなチーム全体を指すものから、打率のような打者に関係するもの、防御率のように投手に関係するものなど細かく分けられています。
下記の表1を参考にしてみると、シーズンなどの自分の成績の把握につながるかもしれません。
表にもありますが、打者を評価する指標にOPSやIsoPというものがあります。皆さんはこの言葉を聞いたことはありますか?
OPSとは、On-base Plus Sluggingの略で、出塁率と長打率を足した指標を指します。
野球における打者を評価する指標で、打席あたりの総合的な貢献度を示します。
つまり、打席あたりでチームの得点に貢献しているかがわかります。
OPSは得点との関係が強いことが分かっており、重要な指標の一つとなっています。
目安として、「.800」を超えてくると良いと覚えておくといいです。
IsoPとは、Isolated Powerの略で、長打率から打率を引いた指標を指します。
PSと同様に打者を評価する指標になります。
IsoPでは単打を評価の対象にしていないというのが特徴で、長打率とは異なります。
これは、二塁打・三塁打・本塁打のみを評価した指標であり、シーズンをまたいでも安定しやすく、運に左右されにくいと考えられています。そのため、IsoPは打者の長打力を評価することにつながります。
注意すべきことは、IsoPが低いから、悪いというわけではありません。
あくまで長打を評価するもののため、IsoPの値が低くても打率が高い選手は、アベレージヒッターとしての力があると考えられます。
下の表を見てみましょう。
この表から、打率が高い選手は2つのタイプに分かれていると考えられます。
単打を主とした大島選手のようなタイプと、長打力もありつつ打率も高い村上選手のようなタイプです。
村上選手は、56本ものHRを打ち、日本人HR最多記録を更新したとても貴重なデータになっています。
村上選手の他のデータも調べてみると、面白いことが分かるかもしれません。
OPSやIsoPなどスコアブックなどから算出することで、自らの数値を出すことができます。どのようなタイプなのかぜひ調べてみてください。
今回紹介したOPSやIsoPは測定機器などがなくても簡単に計算で出せる指標です。
データを用いることで自分がどのようなタイプのバッターなのかがわかるようにもなります。打率だけでなく、このようなデータにも着目してみましょう。
2.イベントリスクとは
ここからは安打のような「結果」だけでなく、どのような打球であったかといった「過程」に注目しましょう。
長打を打つには、フライやライナーが有効ですが、どの球種が最もフライやライナー性の打球を打ち返せるのでしょうか。
2018年のMLBの球種別の投球割合とイベント割合から見た、下の図を見てみましょう。
この図から、速球やツーシーム、スライダーが多く投げられていることが分かります。
その中でも速球やツーシームでは約20%と5球に1球は外野フライやライナー性の打球になってしまうことがわかります。
しかし、速球は最も投げられている球でもあります。
つまり、速球はリスクが高く、最も投げられている球ということになります。
一方で、スプリットは投げられている割合は少ないものの、外野フライなどのリスクは低く、空振りの割合も高いことが分かっています。
これだけ見ると、速球は最も打たれやすく、長打になるリスクを秘めているため、投げないほうが良いのではないかと考えてしまいます。
しかし、速球は他の球種を生かすことのできる球です。
速球を見せることによって、他の変化球が打ちにくくなります。その結果が、先程のスプリットなどで空振りを取れる確率が高いということにつながります。
このように、速球は組み立ての軸として用いることでとても重宝します。
また、速球もただ速い球を目指すだけでなく、高めのボールほど空振りをすることも明らかになっているため、「高めの速球」というのも組み立てていくことで、有効な速球を投げられるようになるかもしれません。
さらに、近年では「フライボール革命」が起こり、アッパースイング(打球を持ち上げるような打撃)が注目されてきています。
このような打者が増加してくると、スライダーやスプリットといった落ちる変化球は、スイングとマッチしやすく以前のように空振りを奪えなくなるかもしれません。
時代の変化や新しい研究によって、野球も大きく変化してきますので、情報を入手してより戦略的なピッチングやバッティングも考えてみましょう!
3.カウントによって結果は変わる?
皆さんは試合中「初球からいけ!」と言われた経験はありますか?また、3ボールになったとき、毎回見逃していませんか?
カウントの状況によって、ピッチングやバッティングの結果にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
この表を見ると、カウントが少ない時には「ボール」の割合が多くなることが分かります。
反対に、ボールのカウントが増えてくると打球速度が上昇し、ボールのカウントが2を超えると平均よりも5km/hも打球速度が上がっているのが判明しました。
ストライクの0カウントの時では見逃しが多く、2ストライクのカウントでは空振りが多いことがわかります。
これは、カウントによって投球の戦略を変えていると考えられ、2ストライクでは空振りを狙っていくことが数値に現れているのでしょう。
日本には昔から「好球必打」という言葉がありますが、0ストライクと2ストライクではどのくらい結果に変化があるのでしょうか。
この表から分かるように、2ストライクとカウントが追い込まれることによって2割も打率が変わってしまいます。
表では3名の選手をあげましたが、1ストライクにおいて打率.500に迫る素晴らしい記録の選手もいれば、追い込まれたカウントからでも一定以上の数字を残せる選手もいます。
一軍で活躍している選手たちは当然ながら相応の実力者ばかりですが、選手一人一人によって得意なカウントや、相対的に苦手なカウントも存在することが分かります。
カウントの移り変わりに応じて、バッテリーと打者の間で行われる駆け引きの内容やセオリーもまた目まぐるしく変化していきます。
このようなデータを見ることで、また違った角度から野球を見ることができるかもしれません。
4.最新のデータを追い続けよう!
今回は、指標やデータなど少し変わった観点から野球を考えていきました。
スイングのトレンドが変化すると、投球や球種のトレンドも変化していきます。野球は、データや測定機器の進化により、有効な戦術が常に変わってきます。
イベントリスクは、主に「投手が考えること」と思うかもしれませんが、反対に「投手がどのようなことを考えているのか」ということを、打者がこのデータから知っておくことで駆け引きに有利に働きます。
また、本記事は2022年9月現在の記事の内容になります。
今回紹介したデータは、最新の研究によって古くなるかもしれません。
ぜひ、このようなデータや指標に目を向けて新しい情報をどんどん取り入れていきましょう!
参考・引用文献
- Baseball Geeks:初球の入りは大切!?カウントによる打者・投手への影響(閲覧日:2022年9月11日)
- Baseball Geeks:打者の長打力の評価指標IsoPとは!」(閲覧日:2022年9月11日)
- Baseball Geeks:打者の評価指標OPSとは!(閲覧日:2022年9月11日)
- Baseball Geeks:速球は最も飛ぶボール? 球種別で見られる打球特性とは(閲覧日:2022年9月11日)
- パリーグ.com:「近藤健介は追い込まれてからも強かった。ストライク数による成績の違いとは?」(最終閲覧日:2022年10月5日)
- スポーツナビ:「セリーグ打者個人成績」(閲覧日:2022年9月11日)
- 記録の計算方法 | 野球の記録について | NPB.jp 日本野球機構(閲覧日:2022年9月11日)
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