トラッキングデータで評価する球質の特徴

トラッキングデータで評価する球質の特徴

 

こんにちは!
Noble Actionです!

 

 

投球されたボールを評価するためには、球速や回転数などの様々な要素が含まれています。

 

現在では、ラプソードやトラックマン、スピードガンなどによって計測されていますが、計測機器による誤差などもあるため、機器のポイントなども抑える必要があります。

 

 

今回は、それらの機器について理解しながら、球質について考えていきたいと思います!

 

 

 

【この記事でわかること】

1.回転数だけでは、ボールの「ノビ」や「キレ」を評価できない

2.ボールの変化量を知ることで、球質を把握できる

3.ボールの変化量は握り方や指のかけ方でも大きく異なる

 

 

 

 

 

【目次】

1.球場で計測されているデータと機器

2.ボールの「キレ」や「ノビ」は回転数だけで評価できない

3.縦の変化量と横の変化量

 

 

 

 

 

1.球場で計測されているデータと機器

 

メジャーの全ての球場には、トラックマンと呼ばれる計測機器が設置されており、球速や回転、投手のリリースポイント等が計測され、そのデータは一般にも公開されています。

 

 

日本のプロ野球では、トラックマンを導入している球団やホークアイを導入している球団など、チームによって異なる機械を導入している状況です。

 

ホークアイやトラックマンなどは同じ場所に固定されているため、決められた場所から投球すれば安定した数値を測定することができます。

 

 

トラックマンやホークアイの特徴として、リリースポイントを計測できるため、球速の値は比較的正確であると考えられます。

 

その理由として、リリース位置が分かるということは、ボールが離れる瞬間のボールの速度を測ることができ、ボールの初速を測ることができるためです。

 

 

また、スピードガンをバックネット裏に設置し、球速を計測することも行っています。

しかしながら、このスピードガンは設置する位置(距離や角度)などによって数値が異なってしまうため、設置の仕方によって数値が異なることが発生してしまいます。

 

 

ここでスピードガンについて頭に入れておかなければならないことは、その数値がどの球速を測定しているのかを理解することであり、投球された初速なのか、捕手がキャッチする終速なのかなど計測目的を明確にしなければなりません。

 

 

 

 

 

2.ボールの「キレ」や「ノビ」は回転数だけで評価できない

 

ホークアイやトラックマンからは多くのデータを測定することができ、投手が最も注目するのは、球速と回転数であると思われます。

 

この回転数は、ボールが投手までが投球してから捕手がキャッチするまでの回転数ではなく、投球したボールが1分間回転し続けたら、どれくらい回転しているかを示したものです。

 

 

一般的に回転数が多いと、ボールがホップするようにイメージしているかと思います。

 

 

もちろん回転数が多いことで、ボールに揚力(マグナス力)が強く作用し、「ノビ」、「ホップ」、「キレ」というものが発生します。

 

 

 

しかしながら、ボールの回転数だけでは、ボールがホップするのかキレがあるのかは評価することができません。

 

 

 

ボールのキレやノビといった変化量は、ジャイロ回転と呼ばれる弾丸のような回転が含まれてしまうと低下してしまうことが明らかになっています。

 

 

このジャイロ回転がどれほど含まれているのかを評価することが、ボールの球質をより正確に評価するために必要になってきます。

 

 

 

トラックマンでは、この回転軸を計測することができず、現在ではラプソードを用いることによって、回転数やジャイロ回転、ボールの変化量などを計測することができます。

 

 

 

ボールの回転数だけでは、良いボールとは評価できないということを理解する必要があり、回転軸やジャイロ角度など様々な要因が重なり合って、良い球が生まれることを頭に入れておきましょう。

 

 

 

 

 

3.縦の変化量と横の変化量

 

速球や変化球などを投球すると、ボールの回転数や回転方向、速度などから揚力が発生し、その回転に対しての変化が生まれます。

 

 

 

ボールが変化をすることがなければ重力の影響を受けて自然に落下をしながら弧を描いて捕手の方へ向かいます。

しかし、ボールに回転や回転軸などがかかることによって、落ちるボールや曲がるボールなどの変化が生まれてくるということです。

 

 

 

1.ボールの変化量の定義
Baseball Geeksより引用

 

 

この図のように、本来であれば青い線のような軌道でボールが飛ぶはずが、ボールの回転が生まれることで、黄色の線のような軌道のボールに変化します。

 

 

これが、ボールが揚力を受け、変化に貢献している状態です。

 

 

 

 

2.投手方向からみたボールの変化量の表現の仕方
Baseball Geeksより引用、筆者改変

 

 

 

この図のように、各方向への変化が、ホップやスライドなどになります。

変化球の場合は、このプラスやマイナスの値が大きくなることで変化が大きいことを示します。

 

 

この変化量の値は、実際に捕手がキャッチする位置ではなく、リリースされたポイントから、回転数や回転軸によってどの程度変化しているのかを示しています。

 

 

 

 

12020MLBの各球種のボールの変化量平均
Baseball Geeksより引用、筆者改変

 

 

 

この表のように、変化球によって、縦や横の変化量は大きく異なります。

同じカーブやチェンジアップでも握り方などによっても変化の仕方は異なります。

 

 

自分の投げるボールの変化量を知り、握り方や指のかけ方によって、どのように異なっているのかを確認することで、より武器となる変化球を身につけられると考えられます。

 

 

 

自分の投げるボールがどういう変化をしているのか、どれくらい変化しているのかを知ることで自分に合った投球スタイル、また自分の武器が何なのかを見つけることができるかもしれません。

 

 

 

 

 

引用・参考文献

  1. Baseball Geeks:2021年メジャーリーグで投球される球質の特徴~ボール変化量とは~(閲覧日:2022105日)

 

 

 

 

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