野球選手の中には、ベテランと呼ばれる長い間チームに貢献する選手もいれば、短命とよばれる若くして引退やコーチなどになる選手もいます。
長期にわたって現役で活躍することができる選手にはどのような特徴があるのでしょうか。今回は長持ちする投手について見ていきたいと思います。
【この記事でわかること】
1.24歳までに投げ過ぎると短命になるリスクが高くなる
2.長期で活躍している選手は、BFSが低い値であった
3.現役時代を長生きするためには、身体のケアも重要である
【目次】
1.長持ちする投手と短命に終わる投手
2.長持ちしているプロ選手の特徴は
3.長持ちする選手になるために
1.長持ちする投手と短命に終わる投手
ベテランと呼ばれる長持ちする選手と短命で終わる選手にはどのような違いがあるのでしょうか。
指標があることで、選手の寿命を延ばすことができ、活躍できる可能性を増やすことができます。
長持ちする選手としての結論としては、24歳までに投げ過ぎたか否かであると示されています。
この投げ過ぎについては、BFS(Batters Faced Start)という指標を用いることで評価することができます。
BFSは、1試合あたりの推定対戦打者数のことであり、1試合で何人の打者に対して何球投げるかという点から、投手に生じた負荷を推定している指標になります。
図1.BFSの求め方
Baseball Geeksより引用
このBFSの基準として、10代の投手は投球回が200を超えてはならない、またはBFSが28.5を超えて150投球回以上投げてはならないとされています。
20~22歳の投手については、平均の投球数が105球を超えてはならないとされています。
また、短命に終わる投手の半分以上が24歳以前にBFSが31.0以上のシーズンを送っているとされています。
最近では、投球制限などが高校野球などで設けられていますが、この球数を守ることで選手の寿命を延ばすことができると考えられます。
一点気を付けるべき点として、身体のケアなどによっても大きく変化するため、球数を抑えたから短命でなくなるわけではなく、ストレッチや筋トレ、ケアなどを総合的に行っていくことが重要になってきます。
2.長持ちしているプロ選手の特徴は
長寿の投手と考えられる選手について、中日で活躍した山本昌選手やヤンキースで活躍し、現在は楽天の田中将大選手の投球回とBFSの関係について、どのような特徴があるか見てみましょう。
【山本昌(中日)】
図2.山本昌氏のBFSと投球回の推移
Baseball Geeksより引用
山本昌選手の特徴として、29歳の時にBFSが30を超えて、それ以後はBFSが30を超えずに投球していることが分かります。
投球回やBFSを抑えることで長期間にわたって投球できていることが分かります。
【田中将大(楽天→ヤンキース→楽天)】
図3.田中将大のBFSと投球回の推移
Baseball Geeksより引用
田中将大選手は、投球回が180回前後で平均的に投球しているが、BFSはなだらかに低下していることが分かります。
このBFSを25程度でキープすることで、長持ちする投手になっていくのではないでしょうか。
3.長持ちする選手になるために
今回の記事を見ると、一生懸命に高校や大学時代に投げ過ぎてしまうと、プロに上がれてもその先に長生きできない可能性があることがうかがえます。
プロになるためには多くの練習が必要になり、投げ過ぎないということは難しいですが、短命な選手よりも長期的に活躍選手の方がチームとして重宝すると考えられます。
球数を抑え、休養することも現役時代を長くし、活躍するチャンスを増やすことができることを理解して、プレーをしていってほしいと思います。
また、身体のケアが選手生命を支える重要なポイントであるので、自分の体を大切にしていきましょう!
引用・参考文献
- Baseball Geeks:長持ちする投手の特徴とは?コロナ禍で浮かびあがる「投げ過ぎ」ない効果(閲覧日:2022年9月28日)